Long term Evolution - LTE

LTEのパフォーマンス

LTEが導き出す数多くのイノベーションは、全体として、シャノンの法則で定義された理論上の最大データレートに限りなく近づき続けています。マルチアンテナ技術、OFDMA方式、広帯域化、プロトコルの効率化などの進化が、4Gマスマーケット無線ブロードバンドの期待を実現するための基礎となっています。驚異的な高データレートとセル当たりのセクタースループット(容量)が、無線ブロードバンドに対して無尽蔵に増大し続けるニーズに応える基礎となっています。

LTEは、最大20MHzのバンド幅を持つペアードスペクトル(20MHz UL, 20MHZ DL)で展開が可能です。単一キャリア無線の大きな帯域幅は、マルチ無線の古典的アプローチと比べてはるかに経済効率がよく、5MHz以下のスペクトル帯域幅で実現された3G-3.5Gの技術と比べて著しく大きな容量の範囲を実現します。

 

セクターデータのピークレート

下の表(表1a)は、公認のLTEセクターデータピークレートと、使用される周波数スペクトル帯域幅の対応表です。この理論最大値にはエラーレートコーディングが含まれず、これ無しでは、実環境で大部分のビットを再送することになり、それがスペクトル効率を悪くしてしまう、ということに注意してください。結果的に、実際にフィールドで展開する場合、合理的な5/6エラーレートコーディングを考慮すれば、より現実的なピークデータレート(表1b)が得られます。

表1a. LTEピーク最大データレート速度 (Mbps) - エラーレートコーディングなし
表1b. LTEピーク最大データレート速度 (Mbps) - 5/6エラーレートコーディング


セクタースループット

ピークデータレートが重要である一方、典型的なユーザーが体験できることや、さらに重要なネットワーク容量、つまり設置費用や運営費(OPEX)を定義する重要な数量は、平均セクタースループットです。言い換えれば、典型的なセクターにおいて全加入者にサービスを提供する場合に、現実的に達成可能な平均データレートです。図2では、さまざまなセルラー無線技術について平均セクタースループット容量を比較しています。
figure3
図3. セクタースループット(容量)


上の図の場合、LTEのスループット容量は従来技術と比較して、どの帯域幅においても大幅に向上しています。この容量改善は、マスマーケットに参入する際や、LTEによりビット当たりコストを低減する際に求められる効率を実現するための鍵です。

LTEが実現したセクタースループットの差異は、以下の技術改善によるものです。
  • 全体的なデータレートを向上させるアルチアンテナ技法
  • CDMA技術よりも優れたマルチパス信号処理機能
  • サブキャリアが1タイムスロット内の単一ユーザー専用のため、セル内干渉なし
  • 干渉解除の強化による、セル間干渉の一層の削減
  • CDMA技術の負荷対セル収縮現象の緩和
  • マルチキャスト、ブロードキャストの効率の向上
  • コントロールオーバーヘッドの低減と効率の向上
  • 柔軟性と効率を追加するための周波数選択スケジューリング


ユーザーのピークレートと予想平均レート

予想ユーザーデータレートの評価は非常に難しく、無線技術の特徴である多くの要素(セルまでの距離、セルの負荷、加入者の移動速度、屋内/屋外、マクロレイヤー、ホットスポット…)に依存します。

LTEは、マクロレイヤー上のセルエッジで複数のメガビットユーザーに必要なネットワーク要件を完全に満たし、地方マーケットの無線ブロードバンドを効率的に提供します。

また、MIMOやスマートアンテナによって、3-3.5Gよりも安定した体験をユーザーに提供できるでしょう。

専用カバレッジを持つ屋内環境や、「ホットスポット」地域において、ピコまたはフェムトセル経由で、ユーザーは上記のピークレートに近いものが期待できます。


レイテシ(遅延)

データレートの向上に加えて、レイテンシーの短縮が、ユーザーの体験を顕著に向上させる可能性があります。3.5Gネットワークの場合、最初の接続が確立されるまでに2秒以上の遅延、接続後は50msのレイテンシ(一方向)が発生します。LTEはすべてIPであり、よりフラットなアーキテクチャになっています。そのため、データパケットの初期接続が大幅に高速化され(通常で50msのレイテンシ)、接続後は5msのレイテンシ(一方向)になります。

つまり、ユーザーがブラウザやメディアプレイヤーのボタンを押した後は、ほとんど瞬間的な固定回線のブロードバンド接続のように、LTEネットワークの応答性の良さを感じられます。これはユーザーの体験や満足度に大きく影響します(特に、ブラウザでの表示、ネットミーティングの使用、リッチメディアのストリーミングなどを行う場合)。以前は有線ブロードバンドでのみ利用可能だったオンラインゲームのようなアプリケーションも利用可能になります。

データレートの向上とレイテンシの短縮が同時に実現すれば、LTE上でアプリケーションを使用しても、有線ブロードバンドネットワークを家庭で利用した場合と同じ感覚で操作できることが予想されます。つまり、どこでも、ブロードバンドサービスを享受できるようになります。